戦闘集団
致知出版社の「人間力メルマガ」
今日のお題は…
企業の社員・幹部教育研修を営む株式会社アイウィル
社長の染谷和巳氏「一生青春、一生修養」より
『戦いを忘れた会社は衰退する』
会社は、強い者が存続し、
弱い者が淘汰される熾烈な戦いの中に存在している。
会社は、その熾烈な戦いを
勝ち残らなければならない戦闘集団なのである。
いまの時代、戦いという言葉を嫌う人は多い。
しかし現実問題として、
一人ひとりが戦う気概を持って自分を磨き、
会社を支えてゆかなければ、
たちまち立ちゆかなくなってしまうのである。
東北で、コンピュータのマイクロチップをつくっている
20人規模の会社がある。
ある時期、マイクロチップの注文がパタッと途絶えた。
仕事はまったくない。
解散話も持ち上がったが、
1、2年我慢すればきっと需要も回復するから、
なんとか頑張ろうということになった。
社員はその間何をやったか。
豆腐屋である。
高い給料は得られないが、自分たちで一所懸命豆腐を売り、
かつかつの生活に耐えた。
苦労の甲斐あって1年あまりで
再び注文がくるようになった。
それまで20人の社員は1人も辞めなかったという。
この会社の業績はいま堅調である。
経営者に求められるのは、
このようななりふり構わぬ気構えである。
こうした前向きの決断ができる経営者は会社を潰さない。
しかし、戦う気概のないトップを担いだ会社は不幸である。
ある岡山の老舗企業は、
夫の後を継いだ妻が懸命に経営を切り盛りし、
立派な業績を上げていた。
ところが、その女性が亡くなった途端、
後を継ぐべき息子は会社をたたんでしまったのである。
面倒な経営など担いたくない。
自分は毎日図書館で本を読んで過ごしたい、と。
揉まれず、叩かれず、
甘やかされて育ってきたボンボン……
完全に子供の頃からの育て方の問題である。
こういう人間は、
社会に出て少し厳しい目に遭うとすぐに挫けてしまう。
私はよくブタ鳥の話をする。
いまから四百数十年前、
オランダ人がある南海の無人島に踏み込んだ時、
無数に繁殖していた鳥のことである。
島には長らく天敵がいなかったため、
丸々と太り、羽があるのに飛ぶこともできなくなっていた。
捕獲は簡単である。
脂が乗ってうまいので、
オランダ人たちに食い尽くされ、数年で滅びてしまった。
戦う気力が失われたいまの日本人を見ていると、
私はどうしてもこのブタ鳥を想起してしまう。
もしいま外国から敵が攻めてきたら、
あっという間に滅ぼされてしまうだろう。
時折、落ちこぼれのアウトローが
裸一貫で事業を立ち上げ、
急成長を実現しているのがかすかな救いである。
そうした新興企業がもっともっと出てきて、
市場は活発に新陳代謝を繰り返さなければならない。